畳の厚み
たまには畳の話をしてみます。
畳の厚みは約55mm
これは関西で多いのですが、尺貫法では1寸8分5厘
1寸は約3㎝・・・・1分は約3mm 5厘は約1.5㎜ 合計18.5㎝
つまり3刻みですが、尺貫法の職人はまだまだ多いですが、㎝でしている人はほとんどオペレーターが多い思う。
まぁ厚みがあるので、静音性、衝撃緩和・防音・難燃・断熱・クッション性能などが出てきます。
これは基本藁床と呼ばれる本畳です。今のスタイロ畳には物にもよりますが、
廉価品などはほとんど断熱効果しかありません。
薄い畳
最近した仕事の一部で、1㎝の畳をしました。
薄い畳ってほんとうにめんどくさい・・・・
畳表は約3mm(1分)
写真の通り折り返しているので6mm畳表で使いますので、残り4mm
畳の床と呼ばれる土台は4mmしかありません。

※これは床暖仕様で超特殊品です。
4㎜って簡単ですが、畳表はシワなくするので引っ張ります。
土台の強度がないと引っ張り負けして土台ごと反ってしまいます。
そこはいろいろ工夫しますが、ある程度の強度がいるのが薄い畳。
材料はベニヤ板にアルミボードを張って無理やり強度を上げている材料です。
糸での縫着は難しく、ホッチキス(タッカー)で止めていきます。
縁を止めるのは平刺しと呼ばれる工程は何とか縫着はできますが、
他は、エアタッカーで大工さんみたいに打っていきます。(6mm足)
職人の重い思い
薄い畳は情けないことに、誰も得しません。
つまりお客さん・畳屋が損します。まぁほぼ畳屋がなく羽目になります。
①今回の床暖仕様はアルミボードが入っているので、裁断機の刃の消耗が激しすぎる。
あほみたいに刃が悪くなります。研磨しまくりで仕事になりません。
②縫着ができないので、タッカーの刃が↑に向けられるのでいい気分がしない。
施工にまぁまぁな時間がかかる…
③薄畳は価格が50%~200%UPします。材料がなんせ高い・・・
特殊品で強度を高めているので…
④クッション性能ほぼなし・・・・
通常55mmあるはずが強度高めて硬い土台に巻くのだから・・・
そうなると畳じゃなくていいでしょ?
そこまで畳にしたいなら・・・・でも設計した人、作った人は何も考えていません。
ほとんどデザインとかだけです。
何も知らないままお客さんは買わされて、消耗して交換依頼が来たら、
高い性能がない製品しか選択しかないのです。
お金持ちならいいですけどね…
愚痴ではないですが、本来の用途と違う目的に使用するなら相応の代価は払わないとあかんでしょ
って言いたい…
僕らが施工費を上げているのでなくて、物理的に不可能なことを職人の腕で済ませることが出来ない範囲を安くしろとかなんなのか・・・・
最後に
ちなみに
寸法は融通が利かない。歪んでいる家などは精度がかなりシビアです。

これが言いたかっただけ(笑)
⑤仲介屋がはいると高額過ぎて、文句言われる…
申し訳ないが、お金ないならできません・・・・
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